札所巡りのおはなし

あばらく

仏さんにはランクがある

仏さんっていわれてすぐに思い浮かぶのって「お釈迦さん」、「阿弥陀さん」、「観音さん」、「お地蔵さん」、「お不動さん」あたりじゃないでしょうか。他にも、奈良の「大仏ぁん(正式には盧舎那仏[るしゃなぶつ]または毘盧遮那仏[びるしゃなぶつ])」、天国行きか地獄行きかの審判を下す「閻魔大王」、寅さんの映画で有名な「帝釈天」などなど。挙げだしていくと次から次へと思いついたかもしれませんが。

それじゃあ仏さんの種類っていったいどのくらいあるのだろうかってことになると、正確な数はわかりません。
例えば曼荼羅の中には1875尊の仏さんが描かれていたます。また、姿形が明確でなく名称のみのものも含めたら数千になるかも知れませんし、「ありとあらゆるものに仏が宿っている」という考え方もあります。

ところで、仏さんにもランクがあって、大きく分類すると次の4つのクラスに分けることができます。
ランクの高い順から、

  1. 悟りの境地に達した「如来[にょらい]
  2. 如来を目指し、悟りを得るべく修行中の「菩薩[ぼさつ]
  3. 道を外そうとする者たちを怒りの形相で正し、悪いものから守る「明王[みょうおう]
  4. 仏法と仏教世界の守護の役割を担う「天[てん]・天部[てんぶ]

となります。

仏像の種類と見た目の違い

如来

悟りの境地に達した、仏さんの世界で最高位に位置する存在。
すでに悟りをひらいた状態の姿であるため、すべてを捨て1枚の布のみをまとっただけの質素な装いで、装飾品(大日如来は例外で冠を冠っている)や持ち物(薬師如来は例外で薬壺を持っている)を身につけていません。眉間に白毫[びゃくごう]があり、髪型はぽつぽつと渦巻き状(パンチパーマのような)の螺髪[らほつ]。また頭のてっぺんにはコブのようなふくらみの肉髻[にくけい]があり、この中にはたくさんの「智慧」が詰まっているとされています。

釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来、毘盧遮那仏(盧遮那仏)、阿閃如来[あしゅくにょらい]、ほか

菩薩

いずれ如来となることが約束されているが、悟りをひらくための修行に励みながら、生きとし生けるものをあらゆる悩みや苦しみから救おうと尽くす仏さん。
お地蔵さんを除く多くの菩薩さんは、まだお釈迦さんが王子で悟りを開く前の姿がモデルとされているため、きらびやかな装飾品を身に着けていることが多く、髪も結い上げた状態です。

観音菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩、弥勒菩薩、普賢菩薩、虚空蔵[こくうぞう]菩薩、勢至[せいし]菩薩、日光菩薩、月光[がっこう]菩薩、ほか

明王

密教から生まれた仏さんで、大日如来の命を受けて道を外そうとする者たちを正しく仏の道に戻す役割を担っています。怒りを露わにした怖い顔、背中には炎、そして武器のようなものも持ち、救済を妨げるものや悪いものを寄せつけないようにしています。

五大明王「不動明王、降三世[ごうざんぜ]明王、金剛夜叉[こんごうやしゃ]明王、軍茶利[ぐんだり]明王、大威徳[だいいとく]明王」、愛染[あいぜん]明王、孔雀明王、ほか

天・天部

古代インドの神々(バラモン教・ヒンズー教)が仏教に取り入れられ、仏法を守護する役目を持っています。鎧や武器をまとった武将の姿をしているものが多くみられます。
いっぽうで、中国や日本の神々の影響も見られ、七福神のように“神さん”として信仰されているものも少なくありません。また、弁天さんや吉祥天、訶梨帝母[かりていも](鬼子母神[きしもじん/きしぼじん])のように性別がはっきりしているものも特徴です。
空を意味する“天”との混同を避けるため「天部」と呼ばれることもあります。

持国天、増長天、広目天、多聞天(毘沙門天)、帝釈天、歓喜天(聖天)、大黒天、摩利支天、阿修羅、閻魔大王、執金剛(仁王・金剛力士)、ほか

その他

如来・菩薩・明王・天(天部)の仏さん以外にも、日本古来からの八百万の神々が実は仏さんの仮の姿だとする垂迹神[すいじゃくしん]があります。また、お釈迦さんの弟子、仏教の発展におおいに貢献した人物、宗派の開祖やお寺を開いた僧侶などの姿をうつしたものも“仏像”としてお祀りされています。

羅漢「十大弟子、十六羅漢、五百羅漢」、達磨大師、熊野権現、蔵王権現、三宝荒神、聖徳太子、役行者[えんのぎょうじゃ]、弘法大師(空海)、伝教大師(最澄)、ほか